西安⇒敦煌(2003/03/01)
eawind
朝起きると列車は停車していて、多くの乗客が外に出て買い物をしている。自分も朝のちょっと寒いホームに降り立って食べ物を物色する。快餐(直訳するとファースト・フードだが)と書いた看板を掲げ、お弁当を売っている。まだ小学生か中学生くらいの女の子が朝早くからこの弁当売りの仕事をしている。発泡スチロールの入れ物にご飯とおかずを一杯詰め込む。ご飯があふれそうなのでもうひとつ入れ物を貰おうとすると、さっととがめられ、女の子に睨まれる。余分にはくれないらしい。幼いながらも商品にロス無く必死に物を売る女の子になんともいえない同情を覚える。しかし、同情するならカネをくれという殺気立ったものを感じた。
列車に乗り込むと、いつもと同じ車内旅も退屈さは増すばかりだ。列車の頭から後ろまで歩いて時間をつぶす。トイレに行く。洗面所に行く。大体、中国の列車の洗面所はお茶の葉で詰まって流れなくなっている。たまに列車に詰まれたタンクの水も底をついて出てこなくなる。そうこうして時間をつぶすうち、列車はまた別の駅に到着する。しかし、いつまでたっても出発しない。車内アナウンスが流れる。なんだかわからないので、車掌室に行って筆談する。「前方乱大風」。どうやら砂嵐で列車が動けなくなっているようだ。仕方なくベッドに戻って、列車の再出発を待つ。予定では夜の8時には敦煌に到着する予定であったが、結局5時間遅れて、夜中の1時に到着した。
駅に降り立ってみると、中国ではいつものことだが、怪しいおじさん達が声を掛けてくる。夜中の1時でも、よく寒い中、客引きをしているものだ。何の客引きかと話をしてみると、彼らはタクシーの運転手らしい。なにやらここは敦煌駅とは言いつつも、本当は安西駅と言うらしく、実際の敦煌市内へは130kmも離れており、車でないと行くことができないという。これを五人乗りの乗用車に乗り合わせ、一人30元で行ってくれるという。早速タクシーに乗り込むと、すでに三人が乗っていて、ちょうど自分が4人目となった。それなので、乗り込むと、待つ時間なくすぐに敦煌に向け出発した。
車内で話をしていると、台湾人で一人で旅行している人がいて、敦煌観光は彼と行動を一緒にしようということになった。台湾人の楊さんという人はカナダの旅行代理店に勤務していて、蘭州に住んでいるそうだ。今回は敦煌の仕事上の調査で来ているということで、結構案内してもらうのに頼りになりそうだ。2時間ちょっとかかって敦煌市内に到着すると、ちょっと高そうなホテルに宿泊することになった。楊さんと打ち合わせ、翌日は朝からここまで送迎してくれたタクシーに乗って、市内観光することに決まった。