ウルムチ(2006/03/06)
eawind
目を覚ますと、朝方の5時になっている。すでにウルムチに到着していて、周りの乗客はバスを降りてタクシーに乗り換えようとしている。いまだ雪は降り続いている。自分もさっと路上に降りて、タクシーを拾う。あらかじめ調べておいたドミトリーの新疆飯店というところに行ってもらい、チェックインする。ドミトリーには日本人が二人泊まっていたが、朝方の6時だからまだ寝ている。ひとまずシャワーを浴びて布団に潜り込んだ。
9時に目がさめて、すでに日本人の二人も起きていた。二人とも大学生で、一人は女の子である。なんでもこの女の子は1年間湖南省の大学に交換留学で来ていて、最後の休みを利用して新疆を旅しているのだそうだ。しかし、折からの悪天候で列車がストップしているので、出発できずにいるという。もう一人は明治大学の男子学生で、一人で新疆を一周してきたところという。まだ数日の間はここに滞在するとのことだった。
とりあえず、表に出て朝食をとりに出かける。その後、駅に行ってカザフスタンのアルマティまでの国際列車のチケットを買いに行く。だが今日は定休日で窓口は閉まっていた。明日は営業しているという。
その後、一通りウルムチの中心街を散策したあと、ホテルに戻ると、男子学生だけがいた。聞くところによると、どうやら無事に女の子は出発できたそうだ。夕食の時間は彼と一緒にウイグル食堂に行ってケバブとピラフを食べる。ここ一ヶ月以上の中国旅行で、気づいてみると結構お金を使っていたので、ここからは観光地めぐりを控えて、節約しなければいけない状況になっていた。
ホテルに戻ってエレベータに乗り込むと、日本人の学生に出会った。彼はちょうど自分がこれから向かおうとしているカザフスタンやキルギスを廻ってきたということだ。部屋が別々だったから、こっちの部屋に遊びに来るように勧める。
しばらくすると、部屋にやってきて、自己紹介をする。彼は北海道大学の学生でウイグル民族を研究しているらしく、ロシア語・中国語・韓国語・英語・ウイグル語とかなり語学にも精通していて、貴重な中央アジアの旅情報を提供してくれた。噂には聞いていたが、なんでもカザフやキルギスの国境検問所の役人が要求する賄賂がひどいらしく、渡すことはしなかったそうだが、そのことについて相当文句を言っていた。また、カザフからイリまでカザフ中国間の国境を越える際に、ウイグル族について書かれた英語の本を没収されたとかも話していた。共産主義下の中国では未だ思想統制が行われている。特に向こうにはこれといった食べ物もないらしく、中国に戻って来れて、アジア食を食べ、さらに日本人に2ヶ月ぶりに会ったそうで、相当感激していた。ビールとひまわりのグアズを買ってきて、みんなで食べながら談笑する。やはり使い慣れた日本語で話ができるのはホッとするものだ。