アルマティ(2003/03/24)
eawind
朝の5:30には目が覚めて、シャワーを浴びに行く。ここから三日間はシャワーを浴びることができない。部屋に戻って荷物をまとめて、同室のパトリックにお別れをして、7時には宿を出る。
駅まではバスで行くことができると思うが、乗りなれた市電に乗って移動しようと思う。しかし、早朝なので乗るまでに30分も待たされる。ようやく列車の駅に一番近いところで降りて、そこから2kmくらい、徒歩で移動する。気付けば時間が残り少なくなっている。急いで、駅近くの商店で食料品を買い込み、駅へ向かう。結局、列車に乗ったのは出発5分前であった。タクシーを拾っていれば、もっと早くついただろうが、いまだタクシー恐怖症は抜けていなかった。列車に乗り込むとすぐに朝食をとった。
列車はすべて4つのベッドを備えたコンパートメントである。同室には、アルマティ在住のおばあちゃんと、ロシア人の黄色人種系女性、それにカザフ人の士官候補生が乗っていた。おばあちゃんは70歳で、リャーザヌに住む娘さんを訪問するそうで、娘さんのところには二人のお孫さんがいるという。アルマティには息子さんがいて、こちらも二人のお孫さんがいるそうである。ロシア人の女性はアロビナという名前で、オレヌルグというカザフ国境に近いところに住んでいるそうだ。彼女は友達の招待でアルマティに遊びに来ていたという。カザフ人の士官候補生は、名前がティムールで、ロシアにあるボロネジュという町にある研究機関に通っているという。将来はカザフの軍人になるのだそうだ。22歳だという。ティムールは英語をある程度話せて、彼のおかげでこの列車の旅は快適に過ごせることになる。ティムールと通路の窓からカザフの壮大な大地を眺めながら、いろいろと話をする。彼はこのカザフの広大な大地を愛していると語っていた。また、同い年くらいのボールジャンという名前の掃除係がいて、彼ともいろいろ話をした。といっても彼は英語をあまり話せないので、自分の下手なロシア語と彼の下手な英語とジェスチャーをつかってである。彼はフィンランド人みたいな黄色系と白系が混じった顔つきをしていて、いつも通路ですれ違うと「How are you?」と声を掛けてくる。こちらは「Хорошо!」と答える。こんな感じである。
途中何度も、車掌や警察によるパスポートチェックがあって、毎回ほんとにめんどうくさい。アロビナはパスポートに間違いがあったらしく、車掌室に呼ばれて、締め上げられたらしく、泣いて帰ってくる。おそらく、ひどいことを言われて、賄賂を泣く泣く払ったのだろう。気の毒である。
昼食をとり、カザフの大地を眺め、周りのみんなと話をしながら時間をつぶす。アロビナがトランプをかばんから出してきて、みんなで一緒にやろうと言う。ゲームの名前はドゥロークというものだ。最初に六枚のカードを各々に配って、相手より強いカードを出しながら、手持ちのカードをすべて出し切ったら勝ちというものである。カードはスペード・クローバ・ハート・ダイアの4種類なのは日本の物と同じだが、数字が6からキングまでとエースの代わりに「T」と書かれたものしかない。最後まで正確なルールを理解できず、間違えて手伝ってもらいながら10ゲームくらいやった。ビギナーズ・ラックで負け数が一番少なく、私が勝利した。夕食を取り、また同じことを繰り返す。そして床に就く。
夜中、シムケントにつくとなぜかコンパートメントは満員なのにもかかわらず大勢の人間が乗ってくる。ウルムチ〜アルマティ間の国際列車は同じくコンパートメントであったが、定員以上に乗ってくることはなかった。狭い通路は大勢の人間で一杯になっていて、なんだか訳がわからない。