モスクワ(2003/04/08)
eawind
早朝、モスクワのパヴェレツキー駅に到着する。宿を確保するために先週滞在していたトラベラーズ・ゲスト・ハウスに行く。着いたのは7時でまだ受付が閉まっている。ノックをすると眠たげな係りの女の人が出てきて、今日は空きができるかわからないので、チェックアウトの時間まで待ってくれという。仕方なく、ロビーのソファーで休む。列車で寝足りなかったので、ソファーでしばらく眠る。
10時半くらいになると受付の女の人が空きがあるので、チェックインしていいという。早速部屋まで行くと、同室にオランダ人の青年がいる。彼は今月の初めにシベリア鉄道に乗ってウラジオストクに向かう途中、コンパートメントの中で強盗に襲われ、お金だけでなく、ビザまで失ったので、モスクワに引き返し、現在ロシアビザを再取得しているところだという。悲惨な話である。
僕が持っているパンを一緒に食べたり、彼が持っているお菓子をもらったりして、しばらく話をした後、クルスキー駅まで友人のジャックが住むクルガン行きの切符を買いに行く。宿のあるプロスペクト・ミラ駅からクルスキー駅までは地下鉄に乗って二駅目である。クルスキー駅に着くと、なにやら様子がおかしい。駅の周りには人がいず、少し離れたところに人だかりができている。それに消防車や警察の車両がたくさん止まっている。そちらの方に近づいて行くと、駅から煙が立ち昇っている。どうやら火事になっているらしい。この火事のおかげで、切符を買うことができない。しょうがないので、時間をつぶすことにする。宿に一旦引き返す。
夕方になると、もう一度クルスキー駅に行ってみる。このときにはもう火事の後片付けが行われていて、切符を買うことができるようになっていた。明日の出発のチケットを買い、地下鉄に乗ってクレムリンの方へ行き、郵便局に入ってジャックに到着時刻を知らせるために電話をする。このロシアの電話の使い方が変わっている。一旦番号をプッシュした後、つながったらすぐに「3」をプッシュする。そうするとつながるのだが、最初は使い方が良くわからずに「3」を押さずにいる。つながった後、相手の声は聞こえるのだが、こちらの声が向こうに届かない。つまり無言電話を掛けている事になる。郵便局の職員に使い方を教えてもらって、ようやくつなげることができた。
その後、インターネットカフェに入り、一時間情報集めをした後、宿に戻る。部屋にはイスラエル人の新しい入居者がいて、飲み物を買いたいのだが、どこで売っているのかと聞かれる。少し離れた大通りにあるというと、一緒に買い物に行こうと言う。彼はこれからモンゴル・中国・東南アジア・インドと旅をするという。たった今、エルサレムから飛行機でモスクワにやって来たところだという。売店に着くと、バルティカ4という黒ビールを買う。これはアルマティで出会ったアメリカ人に教えてもらったビールだ。ロシアにいるときはよくこれを飲んだ。
部屋に戻ると、オランダ人のルームメイトもいて、彼らと三人ロビーでビールを飲みながら会話をする。しばらくすると、オランダ人の友達のアメリカ人が帰ってきて、彼も会話に加わる。さらにしばらくすると、ロシア人の学生たち10人ほどもやってきて、ウォッカを一緒に飲もうという。彼らの部屋に行って、ウォッカをご馳走になる。3杯ほどご馳走になった後、彼らが就寝するというので、ロビーに戻って、元のメンバーで会話をする。しばらくすると、別の中年のロシア人がやってきて、彼らも会話に加わる。こんな風にして、飲んだり会話をしてこの日の夜は過ぎて行った。