韓国(2011/08/13)
eawind
夜中に目が覚める。船の中には位置情報ナビゲーションの表示ディスプレイがおいてあって、地図を見ると対馬の沖合に到達している。甲板に出てみると、うっすら月明かりに照らされた暗闇のなかの水面が映り、遠くには対馬の灯台の明かりが見える。こんな海上でも、なぜか iPhone の3Gローミングが使えて、ネットに接続することができる。
もう少し寝ておかないと、ソウルまでの道中が難儀になると思って、寝床に戻る。
そして、目が覚めたら船は既に釜山港に入港している。外は曇天。今年の韓国は雨が多いみたい。
7時半にはクルマに行ってスタンバイする。しかし、なかなか格納庫の扉は空かない。係員が開門の作業をしている。30分ほどしてようやく日光が差し込み始める。
釜山での通関手続きは結局1時間くらいかかった。パスポートチェック、ボディーチェック、車載物のチェック、クルマの下まわりやボンネット、トランクに持ち込み禁止物が入っていないかのチェックなど。そして、どこへ宿泊するか(宿泊先は現地調達と決めていたので、斧木君のとっさの機転で適当にソウルの東横インを告げて済ませたのだが)とか、韓国の自賠責保険の支払いやなんやかんやで結局1時間以上を要した。
釜山の町中に繰り出すと、バスやタクシーで通行量はそこそこ。道は広くて走りやすいけど、信号が日本のそれとは若干趣が変わっていたり、割り込みが激しかったり、渋滞でも駐車するのでもなく走行中にハザードをたく変な風習があったり、ちょっと戸惑った。そして、人生初の右側通行。日本統治時代は韓国も左側通行だったらしいが、独立後は右側通行に直したのだとか。これは台湾も同じ経過をたどって現在右側通行になっているらしいが、沖縄は逆にアメリカ統治時代に右側になったものを、本土復帰後左側通行に直した歴史があるとのだそうだ。
釜山中央大路(7号線)をずっと走って久瑞(クソ)ICまで走り、そこから京釜高速道路にのる。
日本の高速に比べて、道幅は広く、カーブの少ない走りやすいという感じだが、若干舗装に関しては日本の方が静粛性があっていいかもしれない。大邱(テグ)、大田(テジョン)などの大きな街を抜けて500kmの道程は続く。
途中、慶州SAエリアで海鮮米麺を頂く。高速の運転は斧木君に代わってもらい、任せる。
乗用車は現代(ヒュンダイ)やKIAがたくさんで、バスやトラックは大宇(デウ)が多く目につく。メルセデスはそこそこでBMWは少ない。もちろん我が愛車MINIもそうそういない。この旅でMINIを韓国で私の以外で見たのは2台だけだった。レクサスが少し走っているくらいで、ほぼ日本車はない。
お昼ご飯はソウル近くのサービスエリアで現地のロッテリアで済ませる。ハンバーガーがたくさん作りおきしてあった。本場のロッテリア。
高速を走っていて珍しかったのが一番左側の追い越し車線(日本で言えば一番右側の車線)に青い線が引かれていて、これはバス専用の車線を意味している。一般のクルマは通行してはならない仕組み。こうやれば、バスのダイヤが乱れずに済む。
また、日本と同じように自動速度取り締まり機が設置されているので、スピードには注意して走行する。でも、もしスピードオーバーしていたら、違反通知は私の日本の自宅に届くのだろうかと疑問に思った。
天気は途中晴れ間も見えたが、ソウルに近づくに従って再び曇天となる。今にも雨が降り出しそうな雰囲気。そして、アジアンハイウェイの看板が要所要所にある。
ソウル近郊になると、20kmくらいの渋滞にはまる。4〜5車線もあるのに、クルマの台数は韓国も多い。渋滞だと、マニュアル車のストップ&ゴーに慣れていない斧木君に代わって私が運転する。斧木君曰く、日本の横浜ナンバーで走っているこのクルマはかなり目立っているらしく、他のクルマの乗客がみんなこっちを見てくると言っていた。確かに、韓国ナンバーのクルマが日本を走っていたら、私もどんな人が乗っているのか気になってみてしまうだろう。
目指すは明洞(ミョンドン)の街。高速を降りて南山1号トンネルをくぐって到着する。ここから宿探しをしなくてはならない。ひとまず、街の立体駐車場に停める。不思議なのが、駐車チケットを受け取らない。後でわかったことだけど、カメラがクルマのナンバーを記録していて、出るときに自動的に金額が計算される。しかも、クレジットカードで支払いができるのが便利だった。
斧木君が iPhone 片手に調べるホテルを片っ端から当たってみるが、日本のお盆休みや韓国の3連休の初日とあってか、空室が見つからない。探す事5〜6件目でニューオリエンタルホテルという寂れたというか、年期の入ったホテルを見つける。このホテルを見て村上春樹の『羊をめぐる冒険』に出てくる「ドルフィン・ホテル」を思い出した。羊博士が本当にすんでいるのではないかという雰囲気で、少し黴臭く、築40〜50年はたっていそうな雰囲気。
料金を聞くと、二人あわせて一部屋₩119,000(日本円で¥8,330)と他のホテルよりかなり安い。そして、フロントの男性の応対が少し無愛想。もう少しリッチにいきたい気持ちもあったので、躊躇していったん別の宿にも当たる事にする。ただ、行けども行けども空きはない。それなので、再度ニューオリエンタルホテルへ電話してみる。